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​開催要綱

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1.主 旨

 全国聴覚言語障害者福祉研究交流集会は、いこいの村を中心とした10年の研究集会の発展として、1985年から毎年全国各地の聴覚障害児・者、重複・高齢者の福祉を高め発展させていくための研究や交流を積み重ねて、今年、2024年は第28回目を迎えます。

 2024年は、2年に1度の診療報酬の改定と、3年に1度の介護報酬や障害福祉サービス等報酬の改定の「医療・介護・障害福祉」の報酬が同時に改定する「トリプル改定」の年です。小規模事業所は存続の危機にあるといわれています。また、障害者差別解消法における「合理的配慮の提供」について、民間の事業所なども、2024年4月1日から「義務」に変わりました。しかし、各医療機関では残念ながら、今もなお手話では対応してもらえず、筆談のみでの受診を余儀なくされている人がいることや、多くの聴覚障害者が職場で簡単な身ぶりや筆談だけのコミュニケーションで耐えていること等、「義務」といっても言葉だけで実態がまだ伴っていません。

 さらに、旧優生保護法に関する国家賠償訴訟では、39名の原告のうち17名が聴覚障害者です。勇気をふりしぼって、支援の会とともに国における謝罪と補償、優生思想による政策根絶など早期全面解決が求められています。人工中絶を含め5万人を超える被害者の救済のためには、国の姿勢が問われております。事業所・施設と運動の役割も大きいものがあります。

 加えて、相次ぐ災害と甚大な被害です。今年2024年1月1日には能登半島で震度7の地震や津波により、多くの福祉施設が被害を受けました。元消防署の建物を活用し、ろう者と地域をつなぐ大事な福祉拠点として開設された「やなぎだハウス(就労継続支援B型)」の建物も被害をうけました。現在、再開に向けて全力で取り組んでいます。BCP(事業継続計画)作成が義務化され各施設で作成をしていますが、実際に災害が起きた時に聴覚障害者にとって安心・安全な場であるために何ができるか盛り込めることが課題です。

 このような情勢の中で、全国各地では聴覚障害児・者、重複・高齢者の福祉を高め発展させていくための運動と実践が展開されています。これまでの集会においても当事者、家族、支援者ほか、参加者一人ひとりが各地域や施設での実践について研究や交流を行いながら学びを深め、社会資源の拡充を全国へと広げてきました。

 

本集会は、

1. 事業所における利用者の発達や権利保障について多様な運動や現場の支援・実践を持ち寄り、前進させる。

2. 被災聴覚障害者への支援と災害への備えをどう進めていくか及び、BCPの作成や連携に関する意見交換。

3. 聴覚障害児・者のコミュニケーションが保障される環境で安心・安全して暮らせる拠点づくりを目指します。

 

以上の3つの柱を基に全国のなかまとともに、すべてのきこえない・きこえにくい人の発達・集団・社会参加・権利保障の前進に努めます。

2.主 催
社会福祉法人ひょうご聴覚障害者福祉事業協会
3.共 催

 

社会福祉法人京都聴覚言語障害者福祉協会

社会福祉法人大阪聴覚障害者福祉会

社会福祉法人東京聴覚障害者福祉事業協会

社会福祉法人埼玉聴覚障害者福祉会

全国ろう重複児・者家族連絡会

4.協 力(予定)

 

社会福祉法人滋賀県聴覚障害者福祉協会

社会福祉法人千葉県聴覚障害者協会

5​.運 営

 

第28回全国聴覚障害者福祉研究交流集会実行委員会

構成団体(順不同)

公益社団法人兵庫県聴覚障害者協会/兵庫手話通訳問題研究会/兵庫県手話サークル連絡会/ 特定非営利活動法人兵庫県難聴者福祉協会/特定非営利活動法人神戸ろうあ協会/神戸市手話サークル連絡会

6.後 援
 
厚生労働省/一般財団法人全日本ろうあ連盟/一般社団法人全日本難聴者・中途失聴者団体連合会/一般社団法人全国手話通訳問題研究会/一般社団法人日本手話通訳士協会/社会福祉法人全国盲ろう者協会/社会福祉法人全国手話研修センター/特定非営利活動法人全国要約筆記問題研究会/特定非営利活動法人日本障害者協議会/全国障害者問題研究会/きょうされん/障害者の生活と権利を守る全国連絡協議会/全国ろう重複障害者施設連絡協議会/全国高齢聴覚障害者福祉施設協議会/特定非営利活動法人全国聴覚障害者情報提供施設協議会/特定非営利活動法人ろう教育を考える全国協議会/全国ろうあヘルパー連絡協議会/全国聴覚・ろう重複児施設協議会/全国難聴児を持つ親の会/一般社団法人日本聴覚障害ソーシャルワーカー協会/社会福祉法人全国社会福祉協議会/全国社会就労センター協議会/公益財団法人日本障害者リハビリテーション協会/全国特別支援学校長会/全国聴覚障害教職員協議会/近畿ろうあ連盟/兵庫県/兵庫県教育委員会/社会福祉法人兵庫県社会福祉協議会/神戸市/神戸市教育委員会/社会福祉法人神戸市社会福祉協議会/神戸新聞社/朝日新聞神戸総局/読売新聞大阪本社/毎日新聞神戸支局/産経新聞神戸総局/サンテレビジョン
7.開催日時  
 
2024年11月30日(土)・12月1日(日)
8.開催場所

 

神戸市立中央区文化センター

兵庫県神戸市中央区東町115番地

JR・阪急・阪神・市営地下鉄山手線三宮駅から徒歩6分 神戸市役所西側

9.参加人数 

 

500名

10.参加資料代

 

5,000円 (学生3,000円)

11.企画内容

 

<開会全大会>

(1)開会式

(2)記念講演

   『現代社会と人権問題』

講師  徳田靖之氏 (弁護士) 優生保護法被害大分弁護団団長 

(3)特別報告

   『能登半島地震被災ろう者等への救援活動と福祉拠点の役割』

講師  藤平淳一氏       石川県聴覚障害者センター 施設長

 

<入門講座>

 

「家族の思い」や「聴覚障害児・者のくらしの実態」から安心して自分の思いを語り合い、自分らしく生きるための居場所づくり、必要な支援が保障される、当事者団体や家族で協同した拠点づくりを一緒に考えましょう。

聴覚障害児・者の福祉運動、実践、社会づくりから福祉情勢まで、広く学びたい方を対象とした初心者向けの講座です。

講座1◢

パネルディスカッション「相次ぐ災害 いざという時に」

講座2◢

​旧優生保護法裁判 「当事者の思いと支援者の役割」

講座3◢

​聴覚障害者団体の取り組み 長崎県「手話ハウス結の取り組み」

講座4◢

ろうあ運動と事業所の協働・連携

講座5◢

​「なかまのつどい」報告・なかまたちの夢

※ただし、事情により講座の順序および内容を変更する場合もございます。予めご了承ください。

<実践交流会>

 

5つの分科会に分かれて、施設や事業所でのろう重複者や高齢聴覚障害者、中途失聴・難聴者および聴覚障害児への援助実践や研究を持ち寄り、交流・議論を深めます。また、地域で暮らす聴覚障害児・者の福祉ニーズを取り上げ、専門的支援の必要性を明らかにし、地域支援の今後の課題について考え、提起します。

◤第1分科会

「福祉実践と福祉制度のあり方を考える」

​共同研究者  石倉 康次氏 (広島文化学園大学大学院 特任教授)

共同研究者  大竹 浩司氏 (全日本ろうあ連盟 理事)

聴覚障害児・者の暮らしを支えていくために、障害者総合支援法や介護保険法など制度が担えない課題を整理し、今後の制度のあり方、取り組みや運動について討論します。

◤第2分科会

「発達を支える(労働・発達・こころとからだの健康・集団づくり)」

共同研究者  下司 実奈氏    (神戸女子大学健康福祉学部 准教授)

共同研究者  稲 淳子氏   (日本聴覚障害者ソーシャルワーカー協会副会長)  

 

発達、労働、健康。コミュニケーション保障等について各地域・事業所等、様々な立場からの実践を持ちより共通する課題を明らかにし、議論を深めます。

 

◤第3分科会

「地域生活を支える(重複・難聴・放課後等デイ・地活)」

共同研究者  志藤 修史氏  (大谷大学文学部社会学科 教授)

共同研究者         石橋 大吾氏  (全日本ろうあ連盟 理事長)

 

重複障害者や聴覚障害児、難聴者、中途失聴者が自由にコミュニケーションをとることができる社会環境を整えるためには、既存の資源に加えて、新しい社会資源の創出、ネットワークづくりが大切です。どのような資源があれば、地域で豊かに暮らせるのか、また支援体制はどうあるべきか等を考えます。楽しく豊かな暮らしのために工夫されている実践を持ち寄り、交流します。

 

◤第4分科会

「高齢期を豊かに支える(在宅支援・施設のくらしづくり)」

共同研究者  都村 尚子氏  (関西福祉科学大学福祉創造学科 教授)

共同研究者  清田 廣氏   (大阪聴力障害者協会 相談役)

 

高齢聴覚障害者の「人として」の暮らしには、身体や認知機能の低下への支援だけでなく、安心してコミュニケーション支援を受けられる体制づくり、介護者家族同士の交流、地域社会で利用できる資源の活用や協力が得られるネットワークづくりが不可欠です。施設においては画一的なケアだけでなく、本人の願いに寄り添い、その人らしい人生を尊重し、生きることを支え、生きる意欲を創出するための援助や介護について実践交流します。

 

◤第5分科会

「家族の願いと家族会の役割」

共同研究者  中村 克巳氏    (大阪聴覚障害者福祉会後援会 事務局長)

共同研究者  石野 富志三郎氏  (全日本ろうあ連盟 前理事長)

 

重複障害児・者の親、家族が抱える悩みや思いを交流し、親・家族の置かれている実態を明らかにします。また、悩みや思いを率直に出し合い共有することで、孤立する家族をなくします。学びを共有し、今後の家族連絡会の在り方や取り組み、明日への希望につなぐ交流をつくります。家族だけでなく家族を支援する関係者の積極的な参加を呼びかけます。(教育関係者・施設や支援センター等で家族の相談にあたっている方、心理カウンセラーなど)

 

<閉会全大会>
 

入門講座及び各分科会の概要を報告し、集会の成果を共有するとともに、次期開催地への引き継ぎと課題提起を行います。

12.その他

自主交流会  

参加者が発起人となり、職種や立場、課題別に集まって交流を深めます。

展示・販売  

全国各地の重複と高齢の聴覚言語障害者の事業所、関係団体で生産された自主製品等の展示販売を行います。

          

仲間のつどい 

参加者のご家族・仲間が集い、仲間同士で自己紹介やレクリエーション等を通して交流を深めます。

13.日程表

 

 

 

<お知らせとお詫び>

 2025年は第29回全国聴覚言語障害者福祉研究交流集会を開催せず、1年延期して2026年に大阪で開催することになりました。毎年、本集会を楽しみにされている皆様には大変申し訳ありませんが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。

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